<公設派遣村>閉所へ 「再建」不安の年初(毎日新聞)

 年末年始の休みが終わり、東京都の「公設派遣村」が4日閉所する。景気の先行きに不安が漂う中、失業者らは依然疲労感を隠せない様子だ。官公庁は仕事始めを迎え、支援対策が急務の厚生労働省では「生活者重視」を強調する発言が相次いだ。

 失業者の年末年始を支援するため東京都が国立オリンピック記念青少年総合センター(渋谷区)に開設した「公設派遣村」が4日午後、閉所する。入所者833人のうち、住む場所が定まっていない約800人のため、都は当面の宿泊場所を別に用意する。「これからの寝る場所が確保されてひと安心だが、生活再建を果たせるかどうか心配」と話す入所者もいた。

 公設派遣村は先月28日に開設。3日まで住まいや就労の相談に応じてきた。都は閉所後の宿泊場所として、4日は約800人分のカプセルホテルを用意。5日以降の2週間程度は、日雇い労働者向けの臨時宿泊施設などで受け入れる。これらの施設を、自治体やハローワークなどに相談に行く拠点として使ってもらう。

 公設派遣村の開設期間中、生活困窮者の支援団体「年越し派遣村が必要ないワンストップ・サービスをつくる会」が独自に生活相談を行い、325人の生活保護申請をファクスで送った。送り先の多くがセンター所在地の渋谷区に集中しており、都は混乱を避けるため、受理する自治体を分散させる方針だ。

 51歳の男性入所者は「生活保護を申請したいが、何度も断られてきた。役所に相談に行っても受理されるかどうか分からず心配だ」と話した。男性は、自動車メーカーの下請け会社で派遣切りに遭った後、家電メーカーに就職したが、そこが倒産し路上生活を余儀なくされたという。

 証券会社をリストラされた男性(39)は、ワンストップの会を通じて生活保護を申請した。「就職活動がうまくいかず、身も心も疲れている。保護を受け、生活を安定させてから再出発を切りたい」。元派遣社員の男性(38)は「動くための資金さえあれば仕事は見つかるはずだが、どうしたらいいのか」と不安そうだった。

 年末年始の生活総合相談は全国136の自治体が取り組んだ。厚労省によると、国の資金を使って地方自治体が確保した宿泊施設はオリンピック記念センターを除いて513室。自治体によって提供したサービスが違うため、厚労省は各自治体のサービス内容を確認し、今後の対策に生かす予定だ。

 宮崎県から利用者が来るなど東京の施設に利用者が集中したこともあり、厚労省の担当課は「中核市ぐらいまでは対策が取れるよう検討したい」と話した。【市川明代、真野森作、東海林智】

 ◇副厚労相「第2のセーフティーネットを」

 厚生労働省では4日、1年前に「年越し派遣村」の利用者に開放した同省講堂で、政務三役が職員に仕事始めの訓示をした。細川律夫副厚労相は、東京都が開設した「公設派遣村」を元日に訪問したことに触れ「雇用保険と生活保護の中間である第2のセーフティーネットを築いていかねばならない」と述べた。

 長妻昭厚労相は今年を「攻めの政策、組織改革をさらに進める本番の年」と位置付け、「最終的に生活者の立場で信用できる厚労省に生まれ変わることが、国民からの期待だ」と語った。【清水健二】

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